給食費の公会計化とは?
みなさんのお子さんの給食費は、どのように支払っていますか?
「学校に納めている」「PTAや子ども会を通している」など、地域によって異なると思います。
給食費の公会計化とは、給食費と食材費を学校ごとに管理するのではなく、市区町村の予算に計上して管理していくこと(保護者から市区町村へ口座振替などで直接支払うこと)です。
※既に「公会計化」が導入されている市区町村も多数あります。
給食費の仕組み、何が変わるのか?
当然のことですが、給食は、学校や給食センターで調理され、子どもたちのもとへ届けられています。
しかし、保護者が支払う給食費を集め、管理していく方法については、地域によって様々であり、特に学校が給食費を集めたりする場合には、先生たちの負担がとても大きくなっていました。
そもそも先生たちは、子どもたちと向き合い、授業を行うことが仕事です。
このため、現在、子どもたちに給食を提供することを市区町村の仕事として位置付けていくこと=公会計化が進められています。
具体的には、学校給食の公会計化は次のような形になります。
- 学校の先生たちの給食費に関わる仕事が減り、子どもと向き合う時間が確保されます。
- 市区町村の会計ルールで管理していくことになるため、透明性や公平性が向上します。
- 子どもが学校へ現金を持っていくことが無くなり、事故防止に繋がります。
- PTAや子ども会など、保護者の負担が減ります。
文部科学省や市区町村の動き
国の中央教育審議会は2019年1月、「学校給食費などの学校徴収金については、未納金の督促なども含めたその徴収・管理について、基本的には学校・教師の本来的な業務ではなく地方公共団体(市区町村)が担っていくべき」という考え方を示しました。
これを受け、文部科学省は2019年7月、教育委員会などに向けて、学校給食費などを市区町村の予算に計上する「公会計制度」を採用し、給食費を集めたり、管理していくことを市区町村の仕事として行うように通知しました。
2020年11月時点で、学校が給食費を集めたり管理している市区町村などが約7割程度あり、公会計化がなかなか進んでおらず、その理由としては、「情報管理のための業務システムの導入・改修経費や人員の確保が難しい」などが挙げられています。
このため、文部科学省では、既に公会計化を実現している市区町村の事例や公会計化についてのQ&Aをまとめ、市区町村が公会計化を進めることができるようにしています。
まとめ
日本で最初の学校給食は、1889(明治22)年、山形県鶴岡町(現鶴岡市)の私立忠愛小学校で始まったと言われています。
家が貧しくて、お弁当を持ってこられない子どもがいたので、この小学校を建てたお坊さんが、おにぎり・焼き魚・漬け物といった昼食を出し、子どもたちは、大喜びで食べたそうです。
その後、学校給食は全国に広がり、現在では、栄養バランスが考えられた豪華なメニューとなり、とてもおいしくなっているのではないでしょうか。
もちろん、保護者の負担もありますが、子どもたちには感謝の心を忘れずに、出来るだけ残すことの無いよう食べてほしいと思います。