世の中は受験シーズンの真っ最中。
こども本人はもちろん、保護者のみなさんも、この一年間は、テストなどの結果に一喜一憂をしながら、過ごしてきたことでしょう。
そんな保護者のみなさんが直面する大問題・・・。
そうです、入学金をはじめとした「お金」のことです。
こどもの将来に備え、これまでしっかりと貯金をしてきました・・・なんて言いたいところですが、私の場合、残念ながら全くできていない現実が突きつけられました。
お金のことってなかなか相談しにくいことでもあり、他の家庭がどのように工面しているのかとても気になるところです。
今回は、実際に私が利用した「国の教育ローン」について紹介します。
国の教育ローンとは
「国」とはありますが、実際には、「日本政策金融公庫」の教育ローンです。
銀行などの教育ローンと比べると、使い道が限定されることや審査に時間がかかるなどのデメリットもありますが、その金利は最低基準なので、実際に使用している方も多いのではないでしょうか?
融資限度額は、こども1人あたり350万円で、1年間に必要となる分のみをその都度申込みをして借り入れます。
例えば・・・大学1年目(入学):120万円、2年目:60万円、3年目:60万円、4年目:60万円で
合計:300万円など、こんな感じです。
また、こども1人あたり350万円が上限なので、1人目で300万円、2人目でも300万円などの借り入れも可能となっています。
融資までの流れ
インターネットや郵送または最寄りの店舗での申込みも可能ですが、今回はインターネットでの申込みについて紹介します(受験前・合格前であっても申込み可能です)。
申込み者のメールアドレス、申込み者や家族の状況(住所、年齢、連絡先、家族構成、職業、年収など)を入力していきます。
◆ 住民票の写しまたは住民票記載事項証明書(世帯全員(続柄を含む)が記載されたもの。)
本籍地や個人番号(マイナンバー)の記載がないものを用意してください(本籍地や個人番号(マイナンバー)が記載されている場合は黒く塗りつぶす)。
◆ 運転免許証またはパスポート
本籍地の記載を黒く塗りつぶす必要があります。
また、運転免許証の住所・氏名等に変更がある場合は、裏面も提出が必要です。
◆ 源泉徴収票または確定申告書(控)
いずれも直近分を用意してください。
連帯保証人の保証を希望する場合は、予定連帯保証人の方の源泉徴収票または確定申告書(控)の提出が必要です(保証基金を利用の場合は必要ありません)。
◆ 預金通帳や領収書などお支払い状況のわかるもの
預金通帳は金融機関名がわかる部分が必要です。
住宅ローン(または家賃)と公共料金(電気、ガス、水道、電話など2種類以上)の両方の支払い状況を確認できるもの(最近6ヵ月分以上)を提出します。
コンビニエンスストア等で支払いをしている場合は領収書(最近6ヵ月分以上)が必要です。
クレジットカードで支払いをしている場合は、カード利用明細書と預金通帳が必要です。
我が家では、使用している銀行アプリの入出金状況画面をスクショしたものをアップロードしました!
◆ 申込み内容によって必要となる書類
申込みをする内容が「入学資金(入学金や入学する学校の授業料などの入学時の費用)」の場合と「在学資金(入学後にかかる費用)」の場合で必要となる書類が一部異なります。
(「入学資金」の場合のみ必要な書類)
・合格を確認できる書類
合格通知書、入学許可証などを用意してください。
合格前の申込みの場合は不要ですが、契約時には別途提出が必要です。
(「在学資金」の場合のみ必要な書類)
・在学を確認できる書類
学生証、在学証明書などを用意してください。
・使いみちを確認できる書類
学校案内、授業料納付通知書などを用意してください。
(今回の申込みにかかる学生が自宅外通学(予定)者の場合のみ必要な書類)
・自宅外通学が確認できる書類
住民票の写し、不動産賃貸借契約書、貸借予定の物件明細など。
(その他の書類)
世帯年収(所得)の上限額の緩和などに必要な要件を満たす場合には、別途提出が必要な書類があります(詳しくは、国の教育ローン(日本政策金融公庫)のホームページ等で確認してください)。
申込み完了後、審査になります。
審査結果については、申込み完了後、郵送で「ご融資のお知らせ(兼借用証書)」などの書類が届きます(申込み完了から2~3日後)。
我が家の場合、申込み完了後すぐに、日本政策金融公庫の担当の方から電話で確認(申込み内容や入金希望日など)があり、その後、郵便で書類が届きました。
契約に必要な書類を取り揃え、日本政策金融公庫へ提出します(郵送または来店)。
①と④の書類は、審査結果の連絡時に、日本政策金融公庫から届きます。
① ご融資のお知らせ(兼借用証書)
② 印鑑証明書
市区役所・町村役場またはコンビニエンスストアで入手することができます。
③ 合格を確認できる書類(合格通知書、入学許可書等)(写し)
(※入学資金(入学金や入学する学校の授業料など入学時の費用)として利用される方のみ)
④ 預金口座振替利用届
(※金融機関からの自動振替による返済を希望する場合のみ)
⑤ 送金先口座の預金通帳
口座確認のため、通帳の表紙および見開き1ページ目の書類が必要となります。
(※郵送の場合は、コピーで可。)
入金(融資)は、申込み人の名義の金融機関の口座に、日本政策金融公庫から入金されます。
その際、送金手数料が融資金から差し引かれます。
私の場合、契約(契約に必要な書類の提出日)から10日後くらいに入金(融資)をお願いしましたが、国の教育ローン(日本政策金融公庫)のホームページでは、入学などの2~3ヵ月前には申込みを完了するよう案内されています。
国の教育ローンの金利・返済方法
こども1人あたり350万円以内(1年間に必要となる費用が対象)
※以下の要件に該当する場合は450万円以内
① 自宅外通学
② 修業年限5年以上の大学(昼間部)
③ 大学院
④ 海外留学(修業年限3ヵ月以上の外国教育施設に留学する場合)
融資限度額はこども単位なので、1人目、2人目とそれぞれ350万円まで借り入れが可能です。
年1.95%(固定金利・保証料別)
※交通遺児家庭、母子家庭、父子家庭、世帯年収200万円(所得132万円)以内またはこども3人以上の世帯で世帯年収500万円(356万円)以内の場合は上記の利率の▲0.4%(固定金利・保証料別)
教育資金融資保証基金は、連帯保証人に代わって保証をする機関です。
借り入れ額や返済期間に応じた保証料が借り入れ額から一括して差し引かれます。
交通遺児家庭、母子家庭、父子家庭、またはこどもの人数が3人以上で世帯年収500万円(所得356万円)以内の方は通常の1/2の額となります。
連帯保証人は、こどもの4親等以内の親族(進学者・在学者の配偶者を除きます)であることが条件です。
また、連帯保証人は、借り入れを行う世帯主などと別居・別生計であり、源泉徴収票または確定申告書(控)の提出が必要となります。
・返済期間 18年以内
・返済方法
① 元金と利息を合わせた毎月の返済額が一定(元利均等返済)
ボーナス月(年2回)の増額返済も可能です。(最大で融資額の1/2まで)
例えば・・・借り入れ金額が100万円、返済期間が10年間の例 毎月の返済額 9,300円(119回払い)
② 在学期間中は利息のみの返済が可能(元金据置)
在学期間中は、元金を据え置いて利息のみの返済が可能です。
例えば・・・借り入れ額が100万円、返済期間が10年間(うち利息のみの返済)
在学期間中の毎月の返済額 1,700円(48回払い)
卒業・修了後の毎月の返済額 14,800円(72回払い)こんな感じです。
国の教育ローンの利用条件
世帯年収(所得)の上限額
こどもの人数 | 世帯年収(所得)の上限額 |
---|---|
1人 | 790万円(600万円) |
2人 | 890万円(690万円) |
3人 | 990万円(790万円) |
4人 | 1,090万円(890万円) |
5人 | 1,190万円(990万円) |
※括弧内の金額は事業所得者の場合の所得上限額です。また、世帯年収(所得)には、世帯主のほか、配偶者などの収入(所得)も含まれます。
(対象となる学校など)
・大学、大学院、短期大学
・専修学校、各種学校(予備校、デザイン学校など)
・高等学校、高等専門学校、特別支援学校の高等部
・外国の高等学校、短期大学、大学、大学院、語学学校など
・その他職業能力開発校などの教育施設
(対象となる使い道)
・学校納付金(入学金、授業料、施設設備費など)
・受験費用(受験料、受験時の交通費・宿泊費など)
・在学のため必要となる住居費用(アパート・マンションの敷金・家賃など)
・教科書代、教材費、パソコン購入費、通学費用、学生(こども)の国民年金保険料など
・借り入れにかかる保証料
日本学生支援機構の奨学金との併用もOKです(我が家では「貸与型」を予定しています)。
まとめ
今回は、国の教育ローン(日本政策金融公庫)について紹介しました。
内容については、日本政策金融公庫のホームページ(2023年2月時点)のものを参考にしています。
審査の結果、借り入れができない場合もありますし、実際の借り入れの際には、ホームページなどをしっかりと確認してください。